シラバスの作成法
2010年5月3日
2009年9月24日に石田修二が参加した三重大学全学FDで、長澤多代先生(三重大学高等教育創造開発センター准教授)のシラバスの作成に関するレジュメがよくまとまっていましたので、それを自分が理解できる範囲でまとめてみました。
三重中京大学や四日市大学でもこういった手引き書が欲しかった!(だから自分で作っているとも言える)
1. 授業の目的や学生の到達目標の設定
学生が、授業が終了した時点で、「このような知識を得ることができる」、「このようなことができるようになる」ことを明確にイメージできるような授業の目的や学生の到達目標を設定する。
授業の目的の表記法
学生を主語にして書く。
(例1)〇〇について知り、説明できるようになることを目的とする
(例2)〇〇について学び、××について考察することにより、△△できるようになる
学生が、この科目を受講して学習した結果、何をできるようになるのかを表す動詞を含む文章で書く。
2. シラバスの作成法
2.1. シラバスの主な役割
- 学生が授業を選択するためのガイド
- 教員と学生間の約束事項を示す文書
- 学生が学習を進めるためのガイド
- 15回の授業全体をデザインした設計図
- 学科や学部のカリキュラムに一貫性を持たせるための参考資料
2.2. シラバスに掲載する主な内容
科目の基本的な情報
- 担当教員の氏名
- 大学名と部局名
- 学期と年度
- 開講時間と場所
- 受講対象者
- 連絡先
- オフィス・アワー
- ティーチングアシスタント(TA)の氏名と連絡先
- 受講の前提条件:当該科目を受講する前に、学生が習得していることを期待する知識、技術、経験、終了している必要のある科目
科目の内容に関わる情報
- 科目名と科目番号、単位数
- 科目の目的:教員が期待していること
- 学生の到達目標:多くなるようなら、各回の授業の冒頭で伝える
- 授業において重視する中心的なテーマや問題
- 大学や部局のカリキュラムにおける位置づけ
教材に関する情報
- 教科書と入手方法
- 補助教材、用具
- 参考文献・情報:図書の場合には、附属図書館の請求番号を記載
科目のスケジュールに関する情報
- 各回の学習内容:休日についても表示する
- 各界における教室外の課題:予習や復習のために読むべき資料、その他の課題
- 授業の方法:講義、フィールドワーク、口頭発表
- 課題を提出する方法と提出期限
評価に関する情報
- 成績評価の基準と方法:個々の決定要素(グループ課題、レポート、最終試験など)とその比重
- 試験の方法と期日
その他
- 授業運営の方針
- 教員による授業改善への抱負
- 当該科目の習得に必要な学習時間の提示
- カンニングや剽窃(ひょうせつ)に関する約束事
- 学生の学習に役立つ補助教材の紹介
2.3. シラバスの運用
- 学生の負荷が学期中を通じて平均的に配分されるように配慮する。
- 学期開始後の数回には、シラバスの予備を持っていく。
- 慎重に準備をしてシラバスに示すと同時に、初回の授業から学生の反応や取り組み方に注意を向け、授業にとって役立ったり、授業がうまくいかなかったりする場合には、変更を加えるという柔軟さが必要になる。
最終更新日時: 2011年 05月 11日(水曜日) 11:00