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論文・レポート作成のノウハウ本

2001年2月6日

 論文・レポートを書くにはそれなりの決まりがあります。その決まりとは何でしょうか? そこで、論文を書くに当たって、役立つと思われるハウツウ本を紹介します。

 ただし、本を選ぶにあたって次のようなものは除外しました。

  1. 書き手がいい加減な態度で書いているもの
  2. 起承転結をすすめるもの
  3. 「心をこめて」等々、精神主義を強調するもの
  4. 「人を感動させる名文を書こう」と勧めるもの

 除外した理由はこういったものを実用的な文章の精神に反すると思っているからです。

 それでは早速、編者のお勧めする本を紹介します。

[1] 小林康夫/船曳建夫『知の技法』(東京大学出版会, 1994年, 1500円)
 この本の後半部分に論文の書き方、文献の挙げ方がコンパクトにまとめられています。この他、口頭発表の方法についても説明がされています。

[2] 澤田昭夫『論文の書き方』(講談社学術文庫, 1977年)
 大学院修士課程在学時に、ある経済系の教授が薦めていました。でも私はこの本よりは同じ著者の[3]の作品の方が好きです。

[3] 澤田昭夫『論文のレトリック』(講談社学術文庫, 1982年)
 [2]よりやや内容のレベルを下げた本。著者の澤田さん自身、書き出しで『論文の書き方』よりレベルを落としたと述べています。しかしながら、すばらしい本には変わりありません。
 [2], [3]とも図書館のものを読んだので、価格については両方ともわかりません。でも文庫本だから1000円出せばおつりが出るでしょう。

[4] ウンベルト・エコ(谷口勇訳)『論文作法』(而立書房,1991年)
 この本も友人がおすすめしている本です。私もおすすめの本です。書き方、文献の挙げ方など詳しく説明されています。
 ただし、購入することが難しい。名古屋の大きな本屋ですらあまり置いていません。注文しないと購入は難しいでしょう。ちなみに私はこの本を友人宅で読ませてもらいました。

[5] 木下是雄『理科系の作文技術』(中公新書, 昭和56年)
 私はこの本をバイブルのように扱っています。文庫本でありながら、書き方、文献の挙げ方が詳しい。校正の方法についてもまとめられている。「これを凌ぐ文書読本は当分現れない!」と言い切ってもよい。

[6] 清水幾太郎『論文の書き方』(岩波新書, 1959年)
 この本はかなり古い。したがって新品で買うより古本屋で買ったほうがいいでしょう。事実、三重県内の古本屋でよく目にします。価格も古本屋で300円くらいです。
 ただ、内容が難解。[2], [3]の著者、澤田昭夫さんも[2]の書きだしで、この本が難解なので、[2]を書いたと述べている。

[7] 『いますぐ使えるレポート・報告書作成マニュアル』(大和出版, 1400円)
 [1]から[6]の本が研究者や学生を意識したものだったのに対して、この本は会社で簡単な報告書、レポートを作成する人向けに作られたもの。効果的な文の書き方、グラフ、資料の挙げ方が紹介されており、学生、研究者でもプレゼンテーションやレジュメ作成に使える。

 この他にも奥村晴彦先生が授業中に配られた「レポートの書き方」、丹慶勝市先生の「Microsoft Wordでレポートを書こう」もよくまとまっています。

 これまで紹介した本以外にも文書作成のハウツウ本はたくさんあります。いろいろ目を通してみて自分に合ったものを選んで下さい。身につかないものを選んでは元も子もありません。


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