各標準偏差を平均で割って、バラつきの大きさを見ようとするもの。平均が大きくことなるものでも比較することが可能になる。
変動係数 = 標準偏差 ÷ 平均
スーパーマーケットAの1日の平均売上は100万円、標準偏差は30万円、コンビニエンスストアBの1日の売上は30万円、標準偏差は10万円だったとする。この場合、標準偏差が大きいスーパーマーケットAの方がバラつきが大きいと言えるか。
『文系でもわかるビジネス統計』(東洋経済新報社、23ページ)
スーパーA 変動係数 = 30/100 = 0.3
コンビニB 変動係数 = 10/30 = 0.33
標準偏差はスーパーAの方が大きいが、変動係数を見ると、コンビニBの方が大きく、バラつきが大きいと言える。
某証券取引所に上場する2つの株式について過去6ヶ月の値動きを調べた。株式Aの平均株価は500円、標準偏差は100円であり、一方、株式Bの平均株価は3000円、標準偏差は300円だった。どちらの方がバラつきが大きいか。
『文系でもわかるビジネス統計』(東洋経済新報社、24ページ)
一見すると、標準偏差が大きい株式Bの方がバラつきが大きいように見える。しかし平均株価自体が株式Bの方が6倍も大きいので単純に比較できない。そこで変動係数を使って調べる。
株式A 変動係数 = 100/500 = 0.2
株式B 変動係数 = 300/3000 = 0.1
よって、株式Aの方が変動係数は大きいことがわかる。変動幅そのものの値は株式Aの方が小さくても、株式Bと比べて相対的に大きく変動していることがわかる。
ある動物園の三頭のインド象と柴犬の体重について、以下のようにまとめた。象の方がバラつきが大きいと言えるか。
小寺平治『新統計入門』14ページ
象と柴犬の変動係数は次の通り。
どちらも同じバラつきがあるということになる。
リンクはご自由にどうぞ。