私の高校時代には確率統計の範囲に入っていました。統計検定では3級(データの分析)の範囲に入っています。足元をすくわれないようにしっかり勉強しましょう。
確率の本を買うなら、条件付き確率の内容が含まれるものを買うべきです。そのぐらい重要な話だと思っています。
$\displaystyle \frac{P(A \cap B)}{P(A)}$ を Aが起こったときBが起こる確率 といいます。記号 $ P_A\mathrm{(B)}$ または $ P_A\mathrm{(B|A)}$ で表します。
私はベン図を書くより、樹形図(確率木)を書いたほうが理解しやすいです。(ベン図もそうだが、樹形図をパソコンで作図するのは大変なのでこのページには出ていない)
ゆがみのないコインを2回投げる。少なくとも1回は表が出るという条件のもとで、2回とも表が出る条件つき確率として適切なものを、次のa.~d.のうちから一つ選びなさい。(gacco「統計学II」確認テスト 問題1-4)
(答え)2. 1/3
少なくとも1回は表が出る組み合わせは(表、表)、(表、裏)、(裏、表)の3通り。この中で2回とも表なのは、1通り。したがって、その確率は 1/3
(例題)10本のくじのうち当たりクジが3本ある。2人が順番にクジを引くとき、1人目が当たりクジを引き、2人目がはずれクジを引く確率を求めなさい。ただし、1度引いたクジはもとに戻さないものとする。
1人目が当たりクジを引く事象を A、2人目がはずれクジを引く事象を Bと表します。
1人目が当たりクジを引く確率は P(A) = 3/10
2人目がはずれクジを引く確率は P(B|A) = 7/9
よって、1人目が当たりクジを引き、2人目がはずれクジを引く確率は
$\displaystyle P(A \cap B) =\frac{3}{10} \times \frac{7}{9} = \frac{7}{30}$
サイコロを2個投げる。丁(偶数)が出るという条件のもとで、それが(6, 6)である、条件付き確率を求めて下さい。
答えは 1/18
偶数が出る組み合わせは (1,2),(1,4),(1,6),(2,2),(2,4),(2,6),(3,2),(3,4),(3,6),(4,2),(4,4),(4,6),(5,2),(5,4),(5,6),(6,2),(6,4),(6,6) の18通り。したがって,(6,6) の確率は 1/18。
ある病気にかかる確率は、喫煙者と非喫煙者で異なり、喫煙者では 0.3%、非喫煙者では 0.1%とする。もし、ある集団の喫煙者の割合が 20% であるとき、病気にかかった人が喫煙者である確率を次の 1〜4 のうちから1つ選びなさい。(『データの分析』p.137)
喫煙者であるという事象を A、病気にかかったという事象を Bと表します。
喫煙者である確率 P(A) = 20% (0.2) 、非喫煙者である確率 P(A') = 80% (0.8)
喫煙者で病気にかかる確率は、0.2 × 0.003 = 0.0006
非喫煙者で病気にかかる確率は、0.8 × 0.001 = 0.0008
したがって、病気にかかったという条件下で、喫煙者である確率は、0.0006 / (0.0006 + 0.0008) = 3/7
答えは 3
胃がん検診では、1次検診で要精密検査と診断された人を対象に精密検査が行われる。1次検診で要精密検査と診断される確率は 10% である。また、1次検診で要精密検査と診断され、かつ精密検査で胃がんと診断される確率は 0.1% である。このとき、要精密検査と診断されたという条件のもとで、胃がんと診断される確率として正しいものを次の 1〜5 のうちから選べ。
$\displaystyle 10\% \times x = 0.1\%$
$\displaystyle x = 1\%$
答えは 3
事象 A および B に関する確率として、$P_{r}(A)=0.3$、$P_{r}(B)=0.4$、$P_{r}(A \cap B) = 0.2$ であるとき、条件付き確率 $P_{r}(A|B)$ は次のいずれか。
$\displaystyle 0.3 \times x = 0.2$
$\displaystyle x = 0.6666666$
答えは 4
なお、$P(A)P(B) = 0.12$ で、$P_{r}(A \cap B) = 0.2$と等しくないので、事象Aと事象Bは独立ではない。
(工事中)
5回に1回の割合で帽子を忘れるくせのあるK君が、正月にA, B, Cの3軒を順に年始回りをして家に帰ったとき、帽子を忘れてきたことに気が付きました。2番目の家Bに忘れてきた確率を求めて下さい。
過去に早稲田大学で出題された問題です。
同じ製品を製造しているA, B2つの機械がある。Aは全製品の35%、Bは65%を生産している。また、Aの製品中には5%、Bの製品中には3% の不良品が混じっている。全製品の中から任意に1個を取り出したとき、それが不良品であった。それがAの機械から生産された確率を求めよ。
過去に似た問題が広島修道大で出題されたそうです。
リンクはご自由にどうぞ。