以下はNewton別冊『「偶然」にひそむ数学法則 確率に強くなる』(ニュートンプレス, 2010年)の54ページに書かれていた記事です。面白いのでここに抜粋しておきます。
日本で認められている公営ギャンブルで期待値が高いのはなんでしょうか。GoogleやYahoo!等検索エンジンで「公営ギャンブル 期待値」「ギャンブル 期待値」などをキーワードに検索すると多くのページが出てきます。
こういったページに共通して書かれているのが、宝くじ、ロト、toto の期待値はおおよそ 45〜50%。つまり、胴元の取り分は半分以上で、投資する側から見ればかなり分が悪いということ。
一方で、ロト6やtoto、toto BIGには、キャリーオーバーがあります。キャリーオーバー発生時には、通常より期待値があがります。もしもキャリーオーバーがどんどんたまっていけば、期待値が100%をこえることもあるのではないかと“期待”してしまいます。
しかし、配当金の上限額がロト6の場合は4億円、toto BIGは6億円などと定められており、期待値の上昇はそれほど望めません。
(注)上限額について、公式サイトの次のところに情報が出ています。
ところが、その期待値が 100% を超える可能性があるギャンブルが存在します。競輪の「チャリロト」とよばれる“競輪くじ”です。このチャリロトは競輪場で開催されるその日の最後の7レースの1着をすべて当てるというもので、コンピュータが自動的に番号を発行するので、予想する必要はありません。
チャリロトは当選者がいないと、払い戻し金は次回にキャリーオーバーされます。そして、配当金の上限が(なんと)12億円に設定されています。これは現在日本で行われている宝くじの当選金額の最高額です。競輪はもともと胴元の取り分が25%と、宝くじと比較して期待値が高くなっています。その上、キャリーオーバーがどんどんたまっていき、理想的な条件が整うと、期待値が“100%”を超えることが起こりうるのです。
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