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確率

キーワード:事象, 数学的確率, 相対度数, 統計的確率, 同様に確からしい

同様に確からしい場合の確率の求め方

コインの表の出る割合のように、起こりうるいくつかの事象について、それが起こる可能性が等しいとき、同様に確からしいといいます。逆にいえば、歪んだコインでは表と裏の起こりやすさは同等とはいえません。

くじ引きのように、何枚かのカードの入った箱から1枚のカードを抜く際に、どのカードが抜かれるのも同様に確からしいとき、無作為に抜くといいます。

同様に確からしいと仮定できる起こりうる場合の数が n 通りあり、ある事象 A に含まれる場合の数が k 通りあるとき、A の起こる確率を

$$ P(A) = \frac{k}{n} $$

と定義します。

(注)「同様に確からしい」がわかりにくいと感じる人は、「確率が等しい」ことの言い換えと考えて下さい。

(補足)ここでは歪みのないサイコロやコインを投げることを想定しています。これは古典的な確率の考え方です。歪みのあるコインやサイコロを投げる時は、別の考え方が必要ですが、ここでは触れません。

(補足)上の確率の定義式のソースはこんな感じです。

$$
P(A) = \frac{k}{n}
$$

では、実際に計算してみよう。

1から6の目が同じ確率で出るサイコロを考える。このサイコロを1回投げて偶数の目が出る確率を求めよ。(『データの分析』東京図書, p.116)

(答え)サイコロを投げたときに起こりうる確率は、1から6で6通り。このうち偶数の目は2, 4, 6の目が出る場合で3通り。このことから、偶数の目が出る確率は 3/6 = 1/2 となります。

袋の中に赤いカードが20枚、青いカードが30枚入っている。この袋の中から1枚のカードを無作為に選ぶ時、赤いカードである確率を求めよ。(『データの分析』東京図書, p.117)

(解答)20/50 = 2/5

1から4までの数が書かれたカードがそれぞれ1枚ずつある。このカードの中から2枚のカードを無作為に選ぶ時、1の書かれたカードが含まれる確率を求めよ。(『データの分析』東京図書, p.117)

(答え)選ばれる2枚のカードの組み合わせは(1, 2), (1, 3), (1, 4), (2, 3), (2, 4), (3, 4)の6通りあります。このうち、1のカードを含む場合は3通りですから、1のカードを含む確率は次のようになります。

3/6 = 1/2

1から6の目が同じ確率で出る大小2つのサイコロがある。これらの2つのサイコロを投げて目の和が6以下になる確率を求めよ。(『データの分析』東京図書, p.118)

(答え)まずはサイコロの問題では鉄則があります。サイコロ問題は表にせよ

コインを投げて表が出る確率が 1/2 であるとき、この確率の意味として最も適切なものを次から選びなさい。

  1. 2回コインを投げると、必ず表が1回出る。
  2. コインを投げて表が出ると、次は必ず裏が出る。
  3. コインを多くの回数投げると、表が出る割合が約 1/2 となる。
  4. コインを5回投げても表が出ない時には、次は表が出る確率が大きくなる。

(解答)答えは 3

コインを投げた時、表が出る確率が 1/2 であるからといって、2回コインを投げると必ず表が1回出るとは限りません。よって 1 は適切ではありません。

また、表が出た後には必ず裏が出るとも限りませんから、2 も適切ではありません。

コインを5回投げて一度も表が出なくても、次に表が出る確率は変化しません。よって 4 も適切ではありません。


【データ統計処理】