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(母集団の)平均の推定(1)点推定

続編であるその2はこちら

キーワード:標本平均

資料の数がかなり大きい母集団があるとき、その平均が M であるとします。

いま、母集団から一定の大きさの標本を任意抽出して得られた平均を m とします。標本のとり方によっては m の値は異なりますが、任意抽出を繰り返して m の値を求め、その平均をとれば、それは母集団の平均 M にほぼ等しくなります。

なお、標本での平均 m を標本平均といい、母集団での平均 M を母平均といいます。

次のデータは、ある中学校の3年生の男子40人の身長を調べたものです。下の問いに答えて下さい。

平均の推定

(問1)これを母集団と考えて、これから4個ずつの標本を無作為に4組、次のように選びました。

これら4個ずつの標本の平均を求めなさい。

(問2)問1の結果から、母集団の平均を求めなさい。

(注)ここからデータをダウンロードできます。(Excel XLSX形式 / CSV形式

(考え方)母集団の平均は、標本の平均の平均をとります。

(問1の解答)

(問2の解答)161.8 cm(161.75 cm)

表計算ソフトを使っての計算は次の通りです。

(問題)ある工場で作られる画びょうから50個無作為に抽出し、その頭部の直径を測定したら下の表を得た。この結果から、この工場でつくられる画びょうの直径の平均を求めよ。

階級値 (cm) 13.113.213.313.413.513.613.7
個数13131696250

(解説と解答)表計算ソフトを使っての計算は次の通り。

よって、答えは 13.4 mm

巻尺を使って、A - B 間の距離を5回測って、次の測定値を得ました。2地点間の距離を推定して下さい。

84.14,  84.10,  84.11,  84.11,  84.09 (単位 m)

(ヒント)5回の平均を調べます。

(答え)84.11 m

ある中学校で全校生徒の1か月のこづかいの平均を求めるために、1日に10人ずつの生徒を任意抽出で選び、その10人の1か月のこづかいの平均を調べました。この調査を10日間続けた結果が次の数値です。

これから、全校生徒の1ヶ月間のこづかいの平均を推定して下さい。

830, 810, 980, 1110, 870, 1160, 880, 1210, 990, 930

(ヒント)10日間の平均を調べます。

(答え)約 980 円

ある市の中学3年生の1か月のおこづかいの平均を調べるために、1回に100人の生徒を無作為に抽出し、その100人の1か月のおこづかいの平均を調べた。この調査を5回行ったところ、次の表のような結果が得られた。この市の中学3年生の1か月間のおこづかいの平均を推定しなさい。

調査1回目2回目3回目4回目5回目
平均金額2540円3040円2860円3210円2960円

約 2920 円

母集団の平均を推定する。得られた標本は,4, 5, 7, 4 であった。次のうち,最も適切な記述はどれか。(gacco「統計学II」問題2-1)

  1. 使うべき推定量は不偏分散で,推定値は 1.2 である
  2. 使うべき推定量は不偏分散で,推定値は 2.0 である
  3. 使うべき推定量は標本平均で,推定値は 5.0 である
  4. 使うべき推定量は標本平均で,推定値は 20/3 である

(答え)3.

教科書p38にも標本平均を使って推定するのが基本である。と書かれている。


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